2018年10月31日

「おみや」OB近況紹介! 「由比むつみ市場」訪問

「静岡おみやプロジェクト」第1回、第7回に参加され、
「桜えびごはんの素」「原藤グラタン」
などの人気商品を開発した原藤商店・原 藤晃さんが、
10月1日、地元・由比にオープンした「由比むつみ市場」
におじゃまし、お話しを伺いました。


「おみや」OB近況紹介! 「由比むつみ市場」訪問


コミュニケーションを鍵に 地域の食文化を将来につなぐ

                              154由比むつみ市場 原 藤晃154

おみやプロジェクトの仲間や地元の商店を誘って朝市を始め、回数も増えていくなかで、皆
が提供しようとしているこだわりの商品、こんなものが食べたい、と思うものを集めて、常設
で扱える場所を作りたいと考えました。

“地元の味”が消えている。

いまの世の中では、「食」に対しても利便性が主流のようになっていますが、画一化された、
そういう既製の味がどんどん当たり前になっていくことに、自分としては非常に危惧が高まっ
ていました。

本来は、土地ごとに、季節に合わせた味、その土地ならではのメニュー、味わい方というもの
があり、新鮮で質の良いもの、おいしく季節を感じられるもの、そんなところを受け持つ店をつ
くっていきたい。取り組みとしては、とくに新鮮味があるわけでもないですが、この地域には自
慢市のようなものもないですし、地のものへの愛着や回帰といった、潜在ニーズはあるのだろ
うと思っていました。

「おみや」OB近況紹介! 「由比むつみ市場」訪問「おみや」OB近況紹介! 「由比むつみ市場」訪問

とは言うものの、結局のところ、「なくても成り立っていたもの」を一から始めようとしているわけ
で、非常に厳しいチャレンジではあります。
オープンしたばかりで、いまはまだ、“常連”と言えるお客さんが徐々に生まれつつあり、お客さん
のほうからも、どのようなものがほしいとか、このあいだのあれがよかった、といった声がかかる
ようになってきた、という段階。そういう声に応えながら、まだまだ、地元に対して、お客さんに対し
て、必要だと思われる店づくりの途上です。
どうやって、お客さんにとって必要な店になるのか。どのように期待感をつなぐのか。やりたいこ
と・できることと、求められることの差を、できる限り埋めていかなければなりません。

いま、この地域は、「特産品は強みでもあるけれど、大きな弱みでもあった」という状況に襲われ
ています。軌道修正が、すぐには難しい。自分自身も、「桜えび」というブランドを活用した商品開
発に取り組みつつ、それだけに頼らない準備をしてきたつもりでしたが、この状況は思っていたよ
りも数年早くやって来ました。
いまは、否応なく、現場を見、先を見て、知恵と努力を振り絞らなければならない局面にいます。
そういう環境が与えられているんだ、と思うしかありません。

「おみや」OB近況紹介! 「由比むつみ市場」訪問

そういうなかで、この「由比むつみ市場」では、「由比と言えば桜えび」とか、「〇〇の〇〇」という
ように、“名産”ということをウリにするわけではなく、定置網漁で由比漁港にあがったものを、日々、
そのまま総菜にして出すことが目玉になっています。
定置網漁は、「桜えび漁」とか「アジ漁」というのと違って、古くから行われてきた“待ち”の漁。その
日に揚がってきたものによって、店で扱うものも、柔軟に対応できなければなりません。たとえば、
今日は獲れたてのカマスのフライ、煮つけ、天ぷら。その前は、ブリの子供のイナダが揚がってき
たので、刺身。。。という具合です。
ブリは、イナダ→ワラサ→ハマチと、成長とともに、その時々の香り、味わいも全然違う。そういうと
ころを楽しみながら、地魚の知識も知ってもらったり、そんな、お客さんとのコミュニケーションが、
この店の核になるのだろうと思っています。

「おみや」OB近況紹介! 「由比むつみ市場」訪問「おみや」OB近況紹介! 「由比むつみ市場」訪問

「おみや」OB近況紹介! 「由比むつみ市場」訪問

決して特別のものではないけれど、まずは、地元の人たちが喜んでくれて、「こういうものにお金を
使いたい」と思われる品揃えを充実させていくことです。「あそこはおもしろいものがあるから、覗い
でごらん」と言ってくれる、「縁」と「コミュニケーション」をきっかけに、週に何回、月に何回と、寄って
もらえる店への仕掛けづくりを一歩一歩やっていって、“地域性のある食文化”をもっと楽しんでもら
えるようになったらいい。

こんな趣旨で立ち上げた「由比むつみ市場」です。お近くへお越しの際には、ぜひお立ち寄りくださ
い! それから、こんな思いをご理解いただき、スポット販売にご興味をお持ちの事業者さんがいら
っしゃいましたら、ぜひご連絡ください!



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Posted by 静岡おみやプロジェクト at 18:33│Comments(0)事務局
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